今大会で8回目となる、東都大学準硬式野球連盟主催の「THE ROOKIE TOURNAMENT」(新人戦)が6月11日(水)に開幕いたしました。

新人戦は、春季リーグ戦において1部で戦った6校、2部上位4校、3部上位2校の計12校が参加し、4校ずつに分かれる予選リーグと、予選リーグの上位校とワイルドカード1校の決勝リーグにより、優勝を決める大会となります。今大会は、このワイルドカードの存在がカギを握ることになりました…。
新人戦で主将を務める野村柊吾(法2・桐光学園)は、「新人戦初優勝に向けて、チーム一丸となって全力で戦います。また、昨年度の決勝戦で中央大学に敗戦し悔しい想いをしたので、その悔しさを晴らすため全力で挑みます」と意気込みました。
予選リーグ
一戦目
4 – 4
VS専修大学
6月13日(金) vs専修大学(1部3位)
今夏の全日本選手権大会出場が決まっている専修大学。春季リーグ戦では、本学が2勝し勝ち点を獲得してはいるものの、新人戦の開幕ゲームとして緊張感のある試合でした。
先発・赤岩稜太朗(法2・日大明誠)は、初回から先頭打者に内野安打で出塁を許し、盗塁を決められ得点圏にランナーを背負うものの、落ち着いた投球で後続を完璧に打ち取りピンチを乗り切りました。 2回も安打で出塁を許すものの、緩急のついた巧みな投球で失点は許しません。 一方、専修大学も春季リーグ戦で主戦を張ってきた好投手が先発します。 130キロ後半の直球と変化球を巧みに織り交ぜられ、的を絞ることが出来ません。
投手戦の中試合が動いたのは3回裏、先頭打者に初球をライト前に運ばれ出塁を許すと、続く打者を失策で出塁させてしまい、無死1・2塁とピンチを迎えます。最少失点で逃げ切りたい場面、赤岩もギアを上げ、140キロ超のストレートで追い込みますが、甘く入ったスライダーを左中間に運ばれ1点を先制されてしまいます。尚も2・3塁のピンチが続き、流れを止めたい本学でしたが、2本の安打でこの回4点を失い苦しい試合展開となってしまいます。
追いかける展開となった本学は4回表、先頭打者の1番・吉田航太朗(危機管理2・岡山学芸館)が2球目をライト線へに運びスリーベースヒット、反撃の狼煙を上げます。続く2番・浅倉七星(文理2・日大東北)の内野ゴロの間に吉田が生還し、すかさず1点を返しました。

新人戦ではトップバッターに座る 吉田航太朗(危機管理2・岡山学芸館)
5回表、6番・杉浦凛(経済1・日大鶴ヶ丘)が四球を選び出塁、代打の宮﨑大河(法2・佐賀商業)の打席で盗塁を決め得点圏にランナーを置きます。宮﨑も四球を選びチャンスを広げ、二死1・2塁となったところで先程、長打を放っている1番・吉田。 「試合展開が劣勢だったので、勢いをつけたいと思っていました。次に繋ぐことだけを意識して、集中して打席に立つことが出来ました」と2球目のストレートを狙い撃ちしました。ライト前に弾き返し、さらに右翼手の失策も絡み2点を追加、3-4と1点差に迫ります。
じわじわと相手に詰め寄る野手陣を前に、追加点を渡せまいと、3回からリリーフした川島功聖(商2・大垣日大)が4・5回も続投し、好投をみせます。春季リーグ戦や関東選手権大会でも味方を救援する素晴らしい投球をみせていた川島は、今回も打たせて取るピッチングでアウトを積み重ねました。

新人戦でも好投をみせる 川島功聖(商2・大垣日大)
何としてでも追いつきたい6回、先頭打者の3番・橋本元気(法2・日大明誠)が内野安打で出塁します。 「いけると思ったらいっていいぞ!」と言われていた橋本は、果敢に盗塁を試みます。しっかりと盗塁を決め同点のチャンスを作ると5番・野村が、3球目を振り抜き、打球は右中間に。これが同点タイムリーとなり試合を振り出しに戻しました。打った野村も1塁ベース上で気持ちを前面に出し、ベンチ・スタンドも最高潮に盛り上がります。

勝負強さを発揮した 野村柊吾(法2・桐光学園)
このまま一気に逆転をしたいところでしたが、後続が相手投手を打ち崩せず2者連続三振で同点のまま6回裏へ。6回裏も川島がマウンドに上がりました。先頭打者に安打を許すも、冷静な投球で相手打線を3人に打ち取り大会規定(時間)により4-4の引き分けとなりました。
序盤で4点差をつけられ厳しい試合展開でしたが、全員の執念と粘り強く戦う姿勢で追いつき、引き分けに持ち込むことが出来ました。この試合を引き分けに持ち込むことが出来たことはかなり重要でした。
二戦目
2 – 4
VS獨協大学
6月16日(月) vs獨協大学(3部1位)
予選リーグを通過するには絶対に落とせない今試合。1回表、二死から3番・橋本が四球で出塁すると、4番・西河陸人(文理2・大垣日大)の打席の2球目、完璧なスタートで盗塁を決め得点圏に進みます。西河は甘く入った3球目を強く振り抜きタイムリーツーベースヒット、幸先よく1点を先制します。

新人戦でも4番に座る 西河陸人(文理2・大垣日大)
さらに5番・野村の打席で、西河が相手捕手の捕逸の間に本塁を狙いますが惜しくもタッチアウト。追加点とはなりません。
本学の先発は日大三高出身の髙坂丈慈(文理3・日大三)。初回から130キロ後半のストレートで押し込みエンジン全開の立ち上がり。先頭打者を見逃し三振に奪い、味方の失策により出塁を許しますが力強い投球で後続を抑えます。2回裏、変化球をライト前に運ばれ出塁を許した後、続く打者には得意なストレートで打ち取り、ダブルプレーを奪ったと思われましたが、味方の失策により一死1・2塁とピンチを迎えてしまいます。何としても乗り切りたい場面でしたが、そのまま連打を浴び逆転を許します。
3回表の攻撃、先頭打者には力強いバッティングが持ち味の8番・菅野樹(スポーツ科2・鹿島学園)が入ります。真ん中に入った球を捉えた痛烈な打球が三遊間を抜けレフト前ヒットに。反撃を開始します。続く9番・問井天斗(商2・福井商業)の打席で菅野が盗塁を決めると、ゴロ間に進塁し一死3塁と同点のチャンスを作ります。続いて打席に入るのは、先日の専修大学戦で2安打1打点の1番・吉田。この日も期待に応え、2球目の緩いカーブを左中間に落とすタイムリーツーベースヒットを放ち同点に追いつきます。

毎試合打点を記録する活躍をみせる 吉田航太朗(危機管理2・岡山学芸館)
3回裏、安打に死球、ワイルドピッチが絡み無死2・3塁となり、続く打者に右中間に痛烈な打球を浴び、すぐさま勝ち越しを許します。ここで、髙良元輝(法2・日本大学)がマウンドに上がります。四球で走者を出すものの、緩急を駆使して相手打線を封じ込めます。

冷静なピッチングで好投した髙良元輝(法2・日本大学)
4回表、4番・西河、5番・野村が2者連続で相手の失策を誘い出塁します。続く6番・井上開斗(経済2・福井商業)が犠打を決め一死2・3塁のチャンスを迎えますが、得点することは出来ません。5回表も、二死から2番・浅倉が四球を選び出塁しますが、後続が続かず中々得点に結びつけることが出来ません。
5回裏からは畑飛雄馬(文理2・土浦日大)が継投します。テンポの良い投球で三者凡退に抑え、良い流れで最終回の攻撃に入ります。
後がない6回表の攻撃、先頭打者の4番・西河が死球で出塁すると、続く5番代打・高嶋仁(商2・福井商業)も相手の失策を誘い同点のランナーを出します。この場面で2・3塁を作りたいところでしたが、送りバントがフライとなってしまい1アウト、2塁走者も帰塁できず2アウトと、あっという間にチャンスを潰してしまいます。最後はショートフライに打ち取られ3アウトとなり、2-4で本学が敗戦いたしました。
三戦目
9 – 0
VS青山学院大学
6月17日(火) vs青山学院大学(2部2位)
1回表、先頭打者の吉田が四球で出塁し、続く浅倉・橋本の連打でいきなり無死満塁のチャンスを作ると、4番・西河がライトへの犠牲フライを放ち1点を先制します。5番・杉浦も四球で続き、再び一死満塁となったところで、捕逸により1点を追加し2-0。さらに6番・青柳颯汰(経済1・池田)の四球により再び満塁としたところで7番・宮﨑の押し出し四球により1点を追加すると、8番・秋山慶太(危機管理1・日大明誠)のレフト前ヒットでさらに1点を追加し、初回から4-0と猛攻をみせます。
「初スタメンということもあり、積極的に行くと決めていました。初球の真っすぐを打ちに行くと決めていたので、あまり緊張せずに自分のスイングが出来ました」と秋山。大学初スタメン・初打席がタイムリーヒットになりました。

この試合2安打をマーク 秋山慶太(危機管理1・日大明誠)
本学の先発は川島。スタメンマスクを被る清水僚太(スポーツ科1・鹿島学園)も、大学初スタメンです。先輩の川島を落ち着いたリードで引っ張り、初回を危なげなく相手打線を抑えました。2回表、一死から2番・浅倉が四球で出塁、二盗・三盗を決めチャンスメイク、4番・西河の四球もあり、1・3塁のチャンスでしたが後続が続かず無得点に終わります。3回表、先頭打者の6番・青柳が1ストライクからの2球目を振り抜き、スリーベースヒットを放ち追加点のチャンスを作ります。続く7番・宮﨑もツーベースヒットを放ち5-0と点差を広げます。その後8番・秋山がきっちり犠打を決め、9番・清水僚太が四球で出塁、二死となったところで2番・浅倉の放った打球を遊撃手が捕球ミス、さらに1点を追加し6-0とします。
3回裏、この回から須藤仁(商1・鹿島学園)がマウンドに上がります。130キロ中盤の直球と切れのある変化球が持ち味の須藤は、打者2人を打ち取り二死とした後、連打を浴びピンチを背負いますが、粘りの投球で後続を打ち取り得点は許しません。4回裏、先頭打者にヒットを許し出塁されますが、続く打者を132キロの直球で空振り三振に打ち取ると、最後は6-4-3のダブルプレーに打ち取り、チャンスを与えません。
「公式戦のマウンドは初めてだったので緊張はありましたが、しっかりと腕を振り自分のピッチングをすることが出来ました。まだまだ課題は山積みです」と冷静に振り返りました。

サウスポーとして今後の活躍が期待される 須藤仁(商1・鹿島学園)
5回表、一死から8番・秋山がこの日2本目となるレフト前ヒットを放ち出塁、9番・清水僚太もライト前ヒットで続き、一死1・2塁に。二死となったところで代打・黒岩悠人(文理1・竜ヶ崎第一)が四球で繋ぎ二死満塁の大チャンスで、3番・橋本がレフト前へ走者一掃のツーベースヒットを放ち3点を追加し9-0と大きく突き放します。

新人戦でも大活躍 橋本元気(法2・日大明誠)
5回裏、一死を取ったところで、玉城僚太郎(生物資源2・岡山学芸館)がマウンドに送られます。130キロ後半に及ぶ直球と大きく曲がる変化球を武器に、打者2人を完璧に抑えて、大会規定によりゲームセット。この日は139キロをマークしました。

デビュー戦で139キロをマーク 玉城僚太郎(生物資源2・岡山学芸館)
これにより新人戦の予選リーグの全日程を終えました。1勝1敗1分と、1位通過が出来なかったため他グループの試合結果の動向を見守ることとなりました。
全グループの日程が終わり、1勝1敗1分で並んだ各大学のうち、得失点差により本学が“ワイルドカード”を獲得することとなりました。初戦の専修大学戦で何とか追い付いて引き分けに持ち込んだ諦めない姿勢、青山学院大学戦も、“ワイルドカード枠”の望みを捨てずに1点でも多く点を取り、諦めずに粘り強く戦う姿勢が、決勝リーグの進出に繋がったことと思います。巡りに巡ってきたチャンスを確実に掴むべく、決勝リーグも全力で挑みます。
準決勝
1 – 9
VS中央大学
6月29日(日) vs中央大学(グループA 1位)
~今年こそは~
昨年の新人戦決勝戦で敗れ、昨年の全日本選手権大会初戦で敗れ、春の関東選手権大会・春季リーグ戦でも2連敗を喫し、ことごとく立ちはだかる中央大学。今大会こそ勝って優勝に繋げる、という気持ちで準決勝に臨みました。
本学の先発は、好投を続ける川島。先頭打者に四球を与え、二死とした後の4番打者、甘く入った変化球を捉えられ、ライトオーバーのツーベースヒットを浴び、1点を先制されます。
1点を追いかける本学は4回表、先頭打者の3番・杉浦が四球を選び出塁、続く4番・西河が犠打で送り後続に託します。5番・青柳の内野ゴロが失策を誘い、一死1・3塁のチャンスを作ります。続く6番・川名健太郎(文理1・健大高崎)が1ストライクからの2球目、相手バッテリーもスクイズを警戒して外したものの、何とか食らいつきピッチャー前に転がしスクイズ成功。1-1の同点に。さらに、1塁ベースのカバーが遅れて川名もセーフ、一死1・2塁とチャンスが続きます。

同点となるスクイズを決めた 川名健太郎(文理1・健大高崎)
しかし、追いついた直後の4回裏、先頭打者に右中間を破るツーベースヒットを打たれ、無死1・3塁となったところでスクイズを決められ、すぐさま勝ち越しを許してしまいます。5回裏、一死を取ったところで須藤に代わります。

先発として試合を作った 川島功聖(商2・大垣日大)
須藤は、切れのあるスライダーと、この日最速となる135キロをマークした直球を交ぜ、中大打線に立ち向かいます。しかし6回裏、2つの四球を与えたところで畑にスイッチ。畑がしっかりと後続を抑え、追加点は許しません。
1-2と拮抗した試合が続く中で迎えた7回裏。先頭打者に死球を与え、送りバントと四球を挟み一死1・2塁とピンチを背負います。続く打者の初球、三塁線に強烈なゴロが飛びますが、青柳が何とか止め自らベースを踏んで二死1・2塁に。しかし後続に四球を与え二死満塁のピンチに。追い込んだ後の5球目、直球で押し込みレフトフライに打ち取ったと思われたがまさかの捕球ミス。1-4としてしまいます。このままチームは8回裏も4つの四死球と4本のヒットが絡み5失点、1-9と大きく突き放されてしまいました。
9回表、先頭打者の川名がレフト前ヒットで出塁しますが、反撃とはならず。1-9で準決勝敗退となりました。
新人戦で主将を務めた野村柊吾(法2・桐光学園)は、「目標としていた優勝まではとても遠く感じましたが、試合経験を積んでいく中で、自分たちに足りないものを感じることが出来た大会となりました。この経験を必ずチームに還元し、秋季リーグ戦優勝に向けてまた一から鍛え直します」とこれからの巻き返しを図ります。